SANYO DS−13FD


SANYO DS−13FD

ノスタルジックサウンドに浸るひととき・・・


 以前、手にしてそのままとなっていた卓上ステレオです。簡易型モジュラーステレオという感じでしょうか。


◇今では見かけなくなった卓上セパレートステレオ◇

今となってはとても懐かしい・・・・


 私がまだ小さかった頃、子供達の為にと父が買ってくれた我が家唯一のステレオは、真空管が2本のコロムビアでした。勿論、レコードだけしか聞くことが出来ない卓上ステレオ、兄に分解された卓上ステレオ・・・
 確か、良く流れた曲は、赤いソノシートで「花のサンフランシスコ」でした。歌っているのは、スコット・マッケンジーではなく、違う人だったと思います。  
 「If you' going to San Francisuco〜
 Be sure to wear〜 some flowers in your hair〜
 な〜んて兄の部屋から流れていました。


◇懐かしいソノシート◇

ペラペラのレコード、片面しか曲が入っていません。


 あまり使われていなかったようで、以外と綺麗でした。そしてコンセントを差し込めば周波数が多少ずれているものの、ラジオ放送が楽しめました。プレーヤー部は、ちょっとメンテが必要みたい、スリップや油切れもあるし・・・
 マスクは、トランジスター式かと思うような雰囲気ですが、真空管が6本付いていました。
 構成は、12DT8-12BA6-12BA6-12AX7A-30A5×2と2SA322(OSC)というハイブリッドとなっていましたのでトランジスターに変わる頃の製品だと思います。AMは内蔵バーANTで感度も良好です。
 FMは、外部ANTを接続しないと何も聞こえません。また、FM-STモードがありますが、マルチプレックスは、オプションとなっていて組み込まれていませんでした。従ってSTモードでは、何も聞こえません。
 ここを外部入力用に改造すれば、CDとか接続して楽しめそうです。


◇内部シャーシ◇

各ユニットは、基板式で真空管後期ということが分かります。


 アンプ部は、12AX7Aが初段、PAが30A5というシンプルなものです。
  また、この手の製品に良く採用される両CHのカソード抵抗共通方式が目に留まります。これは、パーツ代やラインのコストを下げる為でしょうか。
 AMのOSCは、トランジスタで調整はバリコンのトリマのみで行うようになっていました。真空管より安定しているようですが、熱に弱いので基板の裏側にちょこんと取り付けられています。


◇内部シャーシ裏◇

ちょっと手を入れました。


 やはり、ノスタルジックの製品です。これといって酷いものではありませんが、ハム音が若干気になります。
 完全に消すには、パーツ配置やら見直しが必要ですが、トランスレスのシングルなので不利な点も多くあります。ということで、ちょっと部品を足してハム音を押さえ込みました。
 それでも、若干は出ていますが、SPに耳を近づけないと判らないレベルなので、まぁーいいかー。です。


◇スピーカー◇

ノスタルジックスタイルの小型SPキャビネット


 アルミサッシのSPキャビネットは、この頃の流行でしょうか、昔は良く見かけたような記憶があります。
 このサッシがなんともノスタルジックな雰囲気が漂い、みょうに懐かしいのです。というのも、以前同じような小さなSP BOXだけ持っていたからです。でも、ず〜っと、ず〜っと昔、OMさんが[欲しい、頂戴]というので壁に掛けてあったのを上げてしまいました。


◇スピーカーユニット◇

掃除を兼ねて裏板を外しました。


 10〜12cmのユニットかと思ってましたが、なんと贅沢にもロクハンユニットが採用されています。
 でも、マグネットがちっこくないかな?ちょこんと付いてるだけのマグネットでした。
 しかし、口径が大きいので、それなりに低音も出ます。きっと卓上型でもグレードの良い方ではなかったのかと想像します。


◇マルチプレックス端子◇

球のユニットを用意したのに球式じゃなかった?


 そういえば、このユニットを持っていたわけで・・・と、試しに付けて遊ぼうと考え調べてみました。
 ところが、手持ちは12AT7と12AU7の2球タイプです。ひっくり返して端子を調べるとヒーターのジャンパーも何もありません。
 電源は、32Vがあるだけ・・・B電圧にしても低すぎます。ということは、マルチプレックスは、トランジスター式だったということです。
 残念ですが、諦めました。Trタイプもどこかにあったのですが、気が向いたら探して付けてみようかな〜?と・・・


◇アイドラー◇

簡易型レコードプレーヤーはこのタイプが殆どです。


 せっかくレコードプレーヤーが付いているので、当然ここもメンテします。
 回転数は35回転と45回転の2種です。もうちょっと古いと78回転なんてのが付いています。多分・・・
 さて、切り換えてみると上手く回ってくれません。スリップしているようです。オマケにゴリーゴリーと異音!・・・これはアイドラーゴムの表面が固化し始めているから滑る滑る!これからの季節には不向きな言葉!でも受験生はいないので・・・
 ゴリゴリは、シャフトの油切れだし、固化はその部分を取り除けば復活します。ということでゴシゴシチョンチョンでおしまいとなりました。それでもこのタイプの定めでモーターゴロは仕方がありません。SPのハム音より大きいのです。
 こりゃー手を加えなくてもレコードの時は、全く気にならないハム音だったのかもしれません?


◇ダストカバー◇

これが一番手間取りました。


 ダストカバーは、高級感溢れるスモークのアクリル製、長い年月によってすり傷や曇りが生じています。
 また電源コードかSPコードが乗っていたようで溶けかかったような跡が数箇所長〜く伸びています。ちょっとみっともないのでサンダーで落として今度はツヤ出しと、とても大変な作業となりました。
 これは長期戦になるので数時間作業をしたら休んで、また取りかかるという、なんとも肩が凝る作業だったのです。年の瀬も迫った年末のこと、年内に終わらせたいという気持ちが先立ちます。


◇ノスタルジックなひととき・・・◇

1971年のEP盤をかけて・・・なつかしー!


 40年近くも前の古〜いレコードを聴いてノスタルジック!こんな頃って何してたのかな〜?
 このレコードは貰い物で、当時は、兄もレコードなんてろくに買うこともできなかったと思います。だけどラジオやテレビから流れていた曲だったので覚えています。とにかくなつかしーです。
 ということで、今では見かけなくなった卓上ステレオシステムで師走のラジオ放送を満喫できました。


<2009.01.19>


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