◇省エネラジオを作ってみました。◇


◇省エネラジオといえばゲルマ・ラジオ◇


 ゲルマニュームラジオは、電池を使わない家電製品なんでしょうか?PSE法とか訳の分からぬ物の対象になるのかな?そんなことはどうでも良いので、とりあえず倍電圧式のゲルマラジオをまな板式で組み立ててみました。
 暇つぶしといえば暇つぶし・・・でしょうか?


倍電圧方式なので普通のゲルマより大きな音がします。

55φの大きなコイルボビン


 事のきっかけは、変わったコイルを作ってみようといろいろな形のコイルを巻いてどんなものだろうか・・・と試していたことでしょうか。
 アイスクリームの棒やバーベキュー用の竹串を使ってコイル枠を作り、コイルのQを測定、ゲルマで具合を試してみました。


結局ソレノイドコイル

55φ塩ビ管を使用しました。


 バスケット風やスパイダー巻を試みましたが、最終的に調整の簡単なソレノイドコイルになりました。どれが1番音が大きいかというと、どれも大差ありません。
 Qは140〜180ぐらいになりました。ソレノイドが183と一番高かったようです。スパイダーが160そこそこ、他に180になったのは9φの棒を立てたものに、リッツ線をグニャグニャと巻いたものでした。


○後  面○

バリコンはアルプスの単連338pです。


 バリコンは300PでもBC帯は何とカバーできると思いますが、大きなコイルだったのでバリコンも大きなものということで・・・。ダイオードはナショナル0A−70を2個使っています。これもゲルマでは大きな部類でしょうか?
 バリコンは、右利きなので右側にしてあります。確かトリオさんのテクニカルデーターのゲルマは左側だったと思います。配置は自分で使いやすいと思った配置が良いということで・・特に拘ることもありません。


レトロ風にちょっと端子も一工夫・・・

真鍮製の端子です。


 この端子はハトメ式で固定されていました。外したところで、ビス止めは出来ません。考えた末、キリで穴を開け直し2.6mmのビスで固定することとしました。アースラグを挟めば一丁前の端子の出来上がりという訳です。何の端子かはナイショ・・・。
 かまぼこ板もただの板切れでは面白くないので、丸く面を取り、着色してみました。
 ゲルマなどもスタンド端子に取り付けました。ちょっと贅沢かな??


○回 路 図○

普通のゲルマよりちょっと複雑


 本来、倍電圧のゲルマのANTコイルは1次、2次そして3次と要るようです。面倒なので1次と2次だけにしました。再生部分が巻いてありますが、これを使うとどうなるかという為の実験用です。
 この部分を使い再生型ゲルマラジオの実験をしたところ、このコイルではあまり変化が見られませんでした。スパイダーコイルだと分離が良くなりました。
 測定器上では、出力が気持大きくなるようです。視聴したところでは変化は認められませんでした。
 倍電圧式は普通のゲルマよりはるかに聞きやすく、1Tr式よりは落ちるというところでしょうか。電池が要らない分儲かったような気もしますが・・・
 ゲルマラジオの性能は殆どコイルに依存しています。それと、アンテナと大地へのアースは必ず必要です。しかし、相当強い近くの放送局はアンテナ線だけである程度聞こえます。
 面白いことに、その日の天候、温度、湿度にも敏感な様で、毎日聞いているといろいろと変化するようです。雨が降って大地がしっかり湿ると混信したり、高い周波数の局が強くなったりと気まぐれなラジオです。この混信を減らして目的の放送局を聞くために1次側に数カ所タップを作り切り替えると調子が良いみたいです。今回はAL端子として1つだけ付けました。


いろいろ列べて・・・

試作したコイルと実験台になったもうひとつのゲルマなどと


 もうひとつのゲルマも倍電圧式です。ダイオードも同じものを使っています。ただ、コンデンサーが390p×2となっています。このコンデンサーは100p〜500Pくらいまでならさほど問題ないかと思います。
 手前のコイル群はいろいろ試した残骸です。変わった形だと取り付けにも一工夫必要と思われます。


スパイダー方式のゲルマ

このスパイダー枠はアイスの棒を利用しました。


 スパイダー式とソレノイドを聞き比べるとスパイダーの方が分離が悪いようでした。このスパイダーに再生部分、別途10回巻いてあります。この部分にもう1度検波出力を戻したところ、分離がよくなったのでこれはいけるかも?とソレノイドでも試したところ何も変化ありませんでした。このコイルはどうやら分離が良く必要のないことが判りました。
 使用したのは0.4mmのカラーホルマル線です。巻数は90回巻いて調整で何周かほどきました。1次はちょっと多めですが、これも受信しながら、ほどいて一番大きな音で鳴るところでカットしました。混信が強いときはAL端子を設けましたのでこの端子にANTを接続すると多少改善されます。(音は多少小さくなります。)
 コイルの調整は大変ですが、多めに巻いて受信しながらカットしていくのが一番容易かと思われます。
 スパイダー型だと、1次と2次を調整しようと思うと、どちらかを完全にほどかないといけないので大変です。こういうコイルの場合は、適所にいくつかのタップを出すと良いと思います。
 こうして見ると、スパイダーコイルは面白い形で、なかなか捨てがたいコイルです。タップを切るのが面倒だったので、既製の鉱石用3P端子を使いましたが、もうちょっと拘るべきだったのかもしれません。

<2006.07.23>


【ラジオHome】