またまた訪れる、待ちに待ち焦がれたお正月休み!このお正月に何を手かげようか・・・?などと考える毎年恒例の?季節でもありました。
また丁度その頃にミニラジオなるものを制作されていた方がいらっしゃいまして、割と短時間、制作容易、可愛らしい!と3拍子を勝手に付けちゃた再生ラジオがひらめきました。ヒントをいただき感謝感謝です。 そんなんで早速、部品をかき集めようとゴソゴソしていたところ、昔々その昔に何かしようといたずらした形跡のあるシャーシが出てきました。というより飾ってあったのですがー。やっぱり何かラジオを作ろうとしていた訳で・・・・ありました。 |
◇悩むレイアウトイメージ◇
昔から保存?していたパネル付き、余分な穴を隠したい!
このシャーシは、何か足りなかったとか部品が無いとかで、そのまま埃を被って棚に乗っけてあったものです。
勿論、ラジオを作ろうとしていたシャシですから、それ相応の穴が開いています。そのままでは活用出来ない為、穴ぽこを極力見えないように再度レイアウトを考えなければなりません。 また電源トランスはジャンク箱に転がっているものを再利用ですが、これだと整流管は使えず、更にヒーターが12Vと限定されます。ジャンク流用の悲劇でもあります。 さてさて部品はある程度揃いましたが、肝心な球は決まらずでありました。この小さなシャーシにTV管やらマグノーバルを乗っけて、う〜〜ん・・?と考えていたところ、神様のお声がありました。12Vのメタルならありますよって・・・ メタルなら球は大きくなり配線も容易になるのでは?また、空いていた穴も上手く潰しやすくなります。スーパーOMに感謝感謝です。どうもありがとうございました。 |
◇メタル管でレイアウト◇
球が大きな分余計な穴を潰せる・・・
メタル管だとこんな感じかな〜?コイルが変なところに収まりますが、なんといっても歴史的由緒のあるシャーシ?再利用のため、ちぃ〜っと変則的になりました。でも大丈夫でしょう。多分・・・
シャーシは160mm×100mmという小型で三角アングルは付けなくても大丈夫のようです。パネルは加工の容易な1.6mmです。2mmにするともっと丈夫です。 さてレイアウトを眺めてみると昭和60年代流行したというパネル型、当時でいう通信型スタイルというのかな?憧れのスタイル調です。少年時代はこういう格好が大変好きでした。 この通信型スタイルというのは、当時の自作派アマチュア無線の通信機みたいな格好をしているというだけです。このスタイルに懐かしさもあり組み立ててみることにしました。 でもよくよく見ればなにも変哲のないへーぼんな感じです。当時のキットの広告などを眺めてみると箱に入っていようが、ラジオってこんな格好だったような気もします。 |
◇フロント側のイメージ◇
コイルは既製品の並四コイルを予定
こんな感じで穴を開けました。ごりごりって・・・
パネルは新たに作り直してSPの穴もちょっと一工夫します。当初は、既に巻き上げてあるプラグインコイルがあるので多バンドにしようかな?とも考えました。しかしラジオによってはコイルの調整が必要になりそうなことからBCバンドのみとしました。簡単にいえば手抜きともいいます。それもスーパー手抜き!
大きさから見てもデスクにちょこんと最適でもあります。今時デスクに球のラジオなんて何となく渋そうな感じ・・・それとかベットラジオに良いかもしれませんね。ただし、むき出しのため寝相の悪い方には不向かもしれません?? そして運が良ければフェージング混じりで遠距離受信が出来るかも?などと期待を持ったりして・・・ このラジオはトランスの都合で2球しかありませんが、昔風でいうと並四とか並三という比較的簡単なラジオになります。 それでも結構楽しめるラジオで、スーパーが普及する前々は木箱に入った大きなラジオが家庭用として頑張っていたのですから・・・ |
◇主要部品の取付◇
構造上アンテナコイルの取付は一番最後になります。
雪がちらほら舞う氷点下の中、塗料と材料をしっかり暖め手際よく短時間で塗装しました。乾燥はたっぷりです。
使用した球は12A6と12SH7で、手配して頂いた貴重な球の中から決めました。12A6は軍用の球で戦後生産されなくなったという球だそうです。 このような灯りが見えないメタルですが、昔々は軍の放出があって安価に市場に出回ったとか?これを利用してラジオや増幅器(アンプ)を作られた大先輩方もいらっしゃったことでしょう。 私はというとメタルを使った電蓄シャーシに触れたことがあり、とても懐かしく思います。この懐かしさついでに少年時代に扱っていた鉱石端子とか憧れのバーニアダイアル、更に昔のマイナスネジ、シャーシ上にホーローなど懐かしさに拘ってみたりして・・・ |
◇配線開始◇
懐かしさに拘りチューブラを多用!狭いよ狭いよ〜!
球はそこそこ馬力のある12A6です。素直に使うとトランスが燃えそうですから、極力電流を流さぬよう調整が必要となります。
トランスは140Vと低圧ですが、整流後は170V以上取り出せます。これだけあれば十分働きますが、バリコンにブッシュは付けていないし、SPもパネルに直付けときています。 マイクロフォニック現象が起きないように出力は1W以下に抑えなければなりません。それに低音も出さないように考慮が必要です。 このことから出てくる音を想像するとTrのポータブルラジオみたいかな〜?と・・・ またガラスバルブの12V6と12SJ7も差し替えが可能で十分使用できます。ただ12V6の方が同じ入力でも大きな音が出る為に注意が必要です。12V6に合わせると12A6のときはちょっと淋しい感じかな〜。 |
◇完 成◇
出来た出来た!
球を大きくしたので配線も容易になると安易な考えでした。というのもシャシが小さな為に思ったよりも悪戦苦闘でございました。
それもそのはず、昔さながらにチューブラを付けてノスタルジックな雰囲気に浸ろうと考えたからです。これくらいなんとかなるさ〜。と思ったのですが、やっぱ不器用なんだな〜私って・・・・しょぼん! 平滑のチューブラで懲りたので、予定していた大きなL型抵抗は取りやめてP型に計画変更です。そんなんで何とかかんとか組み立てることが出来ました。まる! |
◇後 姿◇
スマートな黒い煙突の雰囲気が良いのです。灯りは見えませ〜〜ん!
赤茶色のホーローも出てきたので平滑抵抗も交換です。他の抵抗はリケンのP型に拘ってみました。数本は定数がないので今時のです。
また懐かしい3Pの鉱石端子にもちょっと拘ってみました。これってもう殆ど見かけません。少年時代はなんだかんだと、この安ぽい端子にお世話になったような気がします。 実際は、この端子ではなく陸式に憧れていました。あれってスマートだし格好良く見えたのです。しかし、懐かしいのものを取り入れてみるのもまた一興でしょうか。 個人的な感覚ですが、メタルといい、懐かしさの塊みたいなラジオになりました。こんなのを当時持っていたら毎晩枕元で聞いていたのかもしれません。 今頃になってこんなラジオを組み立てられるなんて、な〜んか憎たらしいような感じ・・・・ |
◇フロント側◇
いかにも通信型機スタイル?
配線が終わったのなら、再点検してー電源ON!しばらくして真空管からオレンジの光が放たれ・・・ない!
その代わりスピーカーからシャーって聞こえてきます。アンテナ端子にリード線を接続するとガリガリって聞こえます。豆コンをグリグリ回すとピィーって大きな音がします。 このピィーはPFB( Positive FeedBack)正帰還っていいます。発振回路ですがこの発振を利用して少しでも感度を上げ大きな音にしようという仕組みです。壊れているわけではありません。 ピィーってお腹の空いたツバメちゃんが聞こえなくなるように豆コンを調整して、そろそろとバーニアを回すと聞こえた聞こえた漫才が・・・面白いので聞き入ったりして。他には聞こえないかなと更に回すと再生音は聞こえますが、音声にならず。 更に回すと聞こえた聞こえた。通信教育講座講座とかー。面白くないので、また漫才へ戻るのでありました。 |
◇ガラスバルブ仕様◇
これもまた良い感じです。今度はちょっと灯りが見えまする。
ガラスバルブに交換するとガラリとイメージが変わります。
うん!これもいいなー!って・・・じゃぁ、もう1台同じのを・・・作る気はさらさらありませ〜ん!1台で2通り遊べるのもこういう球のお陰です。 年末からお正月明けにかけて組み立てたものですから、大晦日に聞くことは出来ませんでした。 比較的簡単な回路ですからどなたにも組み立てられると思いますが、球を手配していただいたお陰で、このように面白いラジオを組み立てることが出来ました。改めてスーパーOMに感謝です。 |
◇ガラスバルブ後ろ姿◇
黒い煙突からとても薄暗い電球になりました。
最初からメタル管で予定していたため、取付予定のイヤフォン端子は撤去しました。その代わりにネオンのパイロットランプに変更です。
なぜならばガラスバルブだとオレンジ色のパイロットになりますが、メタルはな〜んも・・・でも、ガラスバルブもちょっとしか灯りが見えない為パイロットランプを付けて大正解でした。 出力は数100mW程度としましたが、出てくる音はやっぱり真空管!やっぱいいものです。子供の頃ってこんなの作りたかったのだろうな〜と想いを走らせ聞き入ることしばし・・・ 最後になりますが小さなラジオを作ろうとしたら、使うパーツもやっぱり小型が良いとつくづく感じたラジオでした。 |
<2011.01.23>