| 久しぶりに古典ラジオの依頼がありました。しかし修理を始めていくとなんとも奇妙なラジオでありました。
依頼があったのは、まだ雪が降るような頃であり、外は毎日氷点下15度近い朝を迎えるような日々が続いていました。 その為、室外での作業はペイントなど凍ってしまい話にならないのです。それに寒くて細かい作業は非常に困難です。 そのまま転がしておくわけにもいかないので、寒い時はあれやこれや計画を練り、部品を揃えることをします。 |
◇届いたときの状態◇
見た目は古典ラジオ、下は電池のはいるところかな?と思うのが普通ですが?
ナス管2本はダミー、シャーシは2つに割れていた。
| 電池ケースが一体となった珍しいラジオだとばかり思っていましたが、いろいろ調べていると、どうもシャーシーの収まりがしっくりしません。
変だな変だな〜と眺めてみるとシャーシーが斜めに入るように作られていました。それもバーコード付きのラワン材で・・・ 結論からいうと、ラジオの知識を持たない方が、箱を組み立てて古いラジオを入れたという作品のようです。 中身はトリオの並4コイルを使った24B-47BK-12Fの並3構成で、24Bはヒーターが電気食いだった為か電源トランスを2個搭載してました。 また、どういう訳なのか12Fのフィラメントに6.3Vを給電してありました。しかし、この球は無事だったところから考えると上手く動かずにそのまま放置された感じです。 バリコンも羽が曲がって引っ掛かっていたり、緩んで空回りしていました。 |
◇古典ラジオにバーコード◇
ケースを整備していたら木桟になななんとーばぁこーど!
カットして極力水平になるように加工します。
| オリジナルのシャーシーは2つに割れていてとてもじゃありませんが再利用する気はしません。
そういうわけで全く新たに作り直します。古典式のように板に取りつけるソケットを作るのも大変だしコストもかかります。出来るだけ抑えて下さい。との事もありましたし・・・ 手間はかかれどコストを抑えとなると閃いたのが木製シャーシ!古典ラジオのシャーシは板なのだ!じゃーこれも木製のシャーシすれば・・・?とはじめての試みです。 勿論、適所にアルミ板を使いますが、見た目は木製のシャーシーです。これを箱に入れてみたところ今度はピタッと収まりました。 |
◇木製シャーシ◇
古典ではありませんが、古典風ラジオは木製シャーシに限ります?
| こういうシャーシーに普通のラジオを組み込むのは初めてですが、ソケットホールダーとか製作する分コストダウンを狙ったのが目的です。
それに古典調ラジオの蓋を開けて中を見たらアルミシャーシのラジオが入っていたなんていうのは奇妙なものですから・・・。 ウッド調のシャーシでアンプを組み立てるのも面白いかもしれません。加工方法によってはビスが見えなくなると思います。 |
◇パーツを載せて◇
大きなシャーシに組み込むので配線も容易?
| 木枠シャーシーといえども木口が見えては面白くないので、お化粧をしてあります。
シャシ下は要所要所にアルミ板を用いてサブシャーシ式とし、シールドの対策も施します。 初めての試みついでに1ポイントアースとしてみましたが、回り込みもなくハムの点でも効果が出たようでブ〜ンという音は殆どしません。 |
◇配線開始◇
広々としたシャーシで中身はガラガラ・・?
| 回路はごくごく普通の6D6-6C6-6ZP1-12Fという構成の�癸韻任后�
古典に拘って5V管とかも考えましたが、今後のことを考えるとまだ辛うじて入手し易い6V管を使うことにしました。 普通の高1ラジオは2連バリコンになっていますが、これは古典タイプの単連バリコンを2個使いセパレートとしてあります。 高感度を狙うことが出来ますが、同調が難しく使いにくいという点があります。 しかし、バリコンを両手で操作しながら受信するというのはいかにもラジオを操作しているという感じがあり面白いです。 |
◇あっけなく配線終了◇
スーパーと違って簡単?かも・・・・
| ちょっと不便ですが、ヒューズはシャシ下に格納しました。
ヒューズが飛ぶとなると何か原因があるわけですから、シャーシを引っぱり出して点検するのが当たり前・・・じゃー便利なのかな〜? 高1ラジオの配線はいたって簡単です。スパーを組み立てた方なら物足りないかもしれません。 それでも共通点は「ラジオって楽しい!」の一言に尽きるのです。 |
◇天板の作り直し◇
一部が腐っていました。それに欠けた部分もあります。
新しく作りました。この方が早いし簡単ですから・・・
| 天板はどこからか持って来て取り付けたみたいな感じです。
大きさも奥行きが短く本体に似合いません。それに腐りが発生している部分に欠けた部分もあります。 材質は杉板のようで柔らかい板でした。軽いのですが弱いので個人的にはこういったものにはあんまし・・・・ このような状態でしたから、本体に合わせてラワン材を使って新たに作り直すことにしました。 |
◇全 容◇
立派な古典調のラジオの出来上がりです。
| 配線を終えて灯を入れたところ素直に受信しました。しかし、時間が経つと何やら発振音が?
微かな発振がめぐり巡って増幅され、時間が経つと発振音として現れる厄介な状態です。 コイルも球もシールドをしてあるので怪しいところといえばはバリコンです。案の定、ミゼットVCから高周波増幅のところにピョンっと乗っかっていたみたいです。 あわよくばシールド無しと思っていたバリコンですが残念無念!やっぱ必要なのでありました。 |
◇バリコンのシールド◇
パネルの補強も兼ねたシールド板!これで発振もおさまりました。
| このラジオは数日間モニターをして依頼された方のお家へ帰って行きました。数日間とはいえ聞いて楽しんだラジオが無くなるのは淋しいものですね。
そんなこといっていたら貯まりに貯まって大変なことになりますが・・・ |
◇楕円スピーカー◇
この出力トランスとスピーカーは下に組み込みました。
| 本体下のスペースは本来電池を収納するところと思いますが、電池管ではないのでスピーカーを入れることにしました。
幸いにも12KΩのトランスが使ってあったので再利用しました。このスピーカーはSONYの楕円タイプで高能率、結構大きな音がします。 ラワン板にパネルを立て、ユニット保護のため前面には布を貼り付けてあります。 そしてこのスペースはへそくりを入れておくのに良いかもしれません??? |
◇フロント側から◇
パネルも作り直しました。
| ある程度の見栄えも必要だと考えましたので、電源トランス等はカバーを付けてみました。
�癸吋灰ぅ襪離掘璽襯疋院璽垢牢�少で高価になっている為、あるものを加工して利用してあります。 パネルは日焼けして変色していました。色を付けてみたものの反りがあり幅もちょっと短く調子悪いので作り直しました。 ぱっと見たところナス管が付いていたりして古典ラジオに見えましたが実際は全く違いました。
※バーコードは1980年代から日本で普及し始めました。つまり、新しい古典ラジオということでした。 |
<2013.06.07>