FAIR MATE CR−309


 古いモノラルのラジオカセットプレーヤーです。貰おうか、やめようか迷ったのですが、何となくレトロぽくてラジオ部は3BANDあるので、まぁ貰いかな・・・?という感じです。それにあるものが付属していたからです。


 良く見てみると、カセット部の操作ボタンに擦れがあるくらいで、どちらかというと綺麗な方でした。
 メーカー名は“朝日電機 株式会社”という知らないところです。そして、正面には“FAIR MATE”とあります。ファイアマテ?いや、フェアメイトと読むんだこれ・・・
 ってことは、失礼かもしれませんが、安物ブランドということかな・・・?などと思ったりして〜〜。ところが、これは小型でなかなかスッキリしたデザインなのです。一見は、おじさんラジオ風みたいなイメージです。
 しかしながら、外装パーツはちょっと粗っぽい作りです。やっぱりフェアメイトかな、と思ふところ・・・


◇スッキリしたデザイン◇

カセット部がなければ、立派におじさんラジオ?


 このラジオカセットプレーヤーは、某サイトの情報によると一般の店頭に陳列していなかったそうです。じゃあ、どうやって購入するかというと“通信販売”だったそうな・・・(本当のことは、全く知りません。)だとすると今のBOSEのCDラジカセみたいな感じだったのかもしれません。
 どちらにしても当時は見たことがありません。(幼い頃なので、当たり前)そしてこの機器の存在さえ、今まで知りませんでした。
 ということは、プレミアも付かないような超珍品?なのかもしれません。ということで簡単に整備をしてみました。掃除と周波数調整、ベルト交換くらいなものですが・・・


◇メーカー名の銘板◇

朝日電機 株式会社とあります。


 当時のラジカセとしては小型の部類です。以外と軽く、持ち運びも容易で、女性でも容易に取り扱うことが出来たのではないでしょうか。
 ラジオ部は、普通のラジオで取り分け優れたところがあるわけでもありません。といっても6石スーパーより感度は良い感じです。
 カセット部は、やはりこんなものでしょう。PAUSEボタンは、メカ式でなくモーターの電源をカットするタイプ、従ってむにゅ〜という感じで止まります。
 音色は、後部にSPが配置されているので壁にピタリと付けると高域が出ません。少し離して使わなければなりませんが、以外と聞きやすい音色をしています。小型に出来たのは、小型SPを後部に配置した為でしょう。ポケットラジオのSPが使われてますが・・・


◇内部基板◇

スピーカーが後面に配置された内部レイアウト


 トランジスターは東芝と松下が使われています。ICは松下のようです。黒いフェルトの下が、アンプ基板、その下がカセットメカとなっています。
 メカ部は、ベルトが滑っていたので交換しました。ラジオ部は周波数調整などだけです。他にするところがありませんし・・・
 この中身は、カセット蓋を開けて、ビスを4本外すと簡単に取り出せる様になっています。取り出せば、当然内部の掃除です。
 ラジオと違って、カセットを入れる部分からどうしてもホコリが入るので取り出して掃除をした方が良いわけです。


◇メ カ 部◇

ここまで出せば当然ヘッド周りもクリーニングやら・・・


 ピンチローラーは真っ黒というのか真っ茶色でした。これを奇麗にしないと滑ったりして良くありません。
 ついでにヘッドも綿棒で奇麗にします。消磁も・・・。全体付着している綿ぼこりはハケで簡単に取り除くことが出来ます。どうしても油分があるのでメカ部には着きやすいのです。
 立派にテープカウンターも付いています。


◇内部基板の様子その2◇

フェルトを外したところです。


 フェルトを外してみるとありゃま!すごいリード線でした。フェルトは、基盤の絶縁を兼ねたリード線の固定のようです。
 スピーカーは、ポケットラジオのちっちゃなもの、スペックは全くわかりませんが出力は0.1W程度ということかもしれません。
 このアンプ基盤に異常は見られなかったので何もしていません。またフェルトを貼り付けておしまいです。


◇カセットテープ装着◇


 内部を取り出したままカセットを聞いてみます。これはテープの走行試験、再生音を確認するためです。
 ヘッドに汚れがなくアジマスの調整が出来ていれば普通に再生します。
 アジマスとは、お魚のことではありません。これは、テープレコーダの磁気ヘッドの間隙(ギャップ)の向きとテープ走行方向の角度のことです。これがずれていると、いくらヘッドが綺麗でも録再時に高音域の特性が悪くなります。ベストは直角です。
 ご存じのようにカセットテープは、走行メカの一部が組み込まれています。おもしろいことにメーカによって微妙なバラツキがあるようです。走行音の大きなものや小さなもの、ちょっと堅かったりするのもあります。これは安価なテープに多いようです。(今は知りませんけど・・・)
 一通り試験をしましたが、ベルト交換をしたのでまだまだ使えそうです。


◇懐かしいカセットテープと記念撮影◇

シワシワだけど、おじさんラジオの雰囲気たっぷり?


 作りは荒削りのところが見られますが、ベットラジオや卓上で気軽に使うことが出来きるラジカセだと感じました。音はポケットラジオの音とは別格で大変落ち着いた音色です。
 また、細かなことを気にしなければ十分楽しめるセットではないでしょうか。ただしこれで録音する気は全くしません。どちらかというとラジオがメインのような使い方がベターかも?
 冒頭の“あるもの”というのは、合成皮で出来たソフトケースのことでした。こういうケースはどういう訳かおじさんラジオのノスタルジック的な雰囲気を感じるのです。私にとっては・・・・


<2009.06.13>


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