DENON DMD−1500


◇古いミニディスクプレーヤー◇

メディアの移り変わりは早いもの・・・・


 MDが誕生してから、もう十数年経ちます。
 当時は高音質のデジタル録音が気軽行えるという優れものでした。おまけに頭出しや曲順を簡単に変更、削除できる等、編集機能は抜群でした。
 この為、編集機能が劣るカセットテープは廃れる一方で、CDラジカセがCD・MDラジオになってしましました。といってもカセットテープの方が歴史が長く、いまだに健在です。
 ところが、今ではipodとかのデジタルプレーヤーが主流になりました。これはパソコンから簡単に編集が出来て1000曲も入るという超小型のメディアプレーヤー、そしてパソコンから充電するという大変便利なものです。音色は・・・非常にクリヤーではありますが個人的にはあんましーです。しかし、それなりの外部機器に接続すればしっかりした音はすると思いますが・・・


◇MDプレーヤー初期型◇

SONYのMZ−1型です。意外と大きいウォークマン?


 これはSONYが最初に売り出したMDプレーヤーだそうです。時は遡って1972年!ちょうど私が生まれた頃だぁ〜!うそぴょん!
 これは今も健在です。OPT(オプティカル)のIN/OUT端子も付いていてとっても使いやすいMDプレーヤーです。ただ、これのBATTERはもう手に入りません。したがって、もうウォークマンではありません。今はホーム機として実験用に使うだけになっております。
 隣のディスクは当初売られていたTDKの60分MDです。発売当初は非常に高価なディスクでした。勿論、80分ディスクなど売られていませんでした。


◇ホームユースのDMD−1500◇

サイドウッドがなかなか良い雰囲気です。


 手にしたときは、電源は入ってディスクを認識したりしなかったりでした。調べているうちに、あれ〜!?ウンともスンともいわなくなりました。
 面白くないのでいつもの悪い癖が・・・基盤を外して眺めてみるとべークの変色が目に留まりました。ここのパターンを追いかけると電源回路、すなわち定電圧回路のトラブルだということが分かります。
 とういうことは、この先の負荷回路のトラブルかな?とまだ先を追ってみると、なんともチップが焼けたような、加熱した形跡があります。表面のフラックスが綺麗に無くなっているし、表面実装の嫌〜なチップ!こんなの手持ちに無いからジャンク基盤を漁って探すこと幾年月、もないけど、やっとめっけ!モーター制御のチップみたい・・・?


◇基盤の裏と表◇

誰もが嫌う表面実装


 怪しそうなパーツを交換してやっと電源が入るようになりました。ところが、今度はMDが吸い込まれてくれないのです。そうです。ローディングモーターが回らないのです。
 モーターが焼けたのかな?とも思いましたが、その気配なし、ここで悩むことまた幾年月もなく数日間・・・半分嫌になってました。
 そんな時、ふとMDのメカを取り出してみるとあらま!ケーブルが半分抜けかかっているではありませんか。どうもメイン基盤を外すときに引っ張ってしまったようです。
 きちんとはめて再度電源ON!ディスクを入れるとちゃんと吸い込んでくれました。
 様子を見ているとキュ〜ン、ジッジッ、ギュ〜ンと聞こえてディスクを完全に認識してくれました。どうも定電圧回路のトラブルだったようです。当初ヒートシンクがめちゃくちゃ熱かったのが治まりました。


◇再生中と録音中◇

古典タイプ?でLPモードもなければカナ入力もなしです。


 このプレーヤーはスイッチを切っても常時バックアップやらDACが働いているタイプです。つまり24時間安定化電源が働いているのでチップ等が段々弱ってしまった様に思います。当初天板、ディスプレー部に薄く煤が付いていたのは電源部が加熱していた証拠でしょう。
 これは、録音してディスクを入れたまま電源を切ると全部消えてしまうのを防止する為ですが、必ずディスクを取り出すようにすれば何も問題ありません。長く使うなら完全にシャットダウンがベターです。
 これは今のコンパクトホームステレオ(CD/MDラジオみたいなの)も同様のようです。常に電源部がホカホカしています。耐久性はあると思いますが、電圧変動等トラブルの元でもあると思います。タイマーは使えませんが、コンセントを抜くのがやっぱりベスト?省エネとかもいいますし・・・
 そんなことはさておいて、これから再生調整に録音の調整が待っています。ディスクの内側と外側で変化するので根気と根性あるのみ!高価な測定器なんて持ってないしー
 なお、調整の仕方は○秘ということで〜公開は致しません。悪しからず・・・


◇終  了◇

ゴールドパネルは当時の流行?


 サイドウッドが気に入っただけで手を入れた古いMDプレーヤーですがなんとか使えるようになりました。
 ラックにセットしてみるとゴールドパネルのすっきりしたデザインで何となくいい感じです。
 システムの電源を入れて、改めて聞き比べるとコンパクトホームステレオとは一線を引いたようにクリアーでとっても良い音に感じました。
 これがガラスエポキシの基盤で音響コンデンサーがふんだんに使われていればハイエンド機になるでしょうか?
 音色はDACに違いがあると思いますが、さすがにDENONという感じの音作りをしているなと感じる製品でした。このDACはPCM61Pのチップが使われています。


◇DAC部分◇

ここで音質が大きく変わる?高級そうなコンデンサーも見えます。


 また、定電圧回路のヒートシンクは1時間ほど使用するとホカホカしてくる為、内部に8cmファンを取り付け、低速回転で強制空冷しています。勿論、ファン電源は別に内蔵、リヤパネルに通風口を空けました。
 吸気は底面に穴があるので無視です。強制空冷の為、ヒートシンクは冷たいまま安定しています。もう何年使えるかな?


◇強制空冷◇

ホカホカもしなくなりました。排気も忘れずに・・・


 ファンは基盤の裏側にも風が回り込むようにアングルを使って斜めに取り付けました。
 というのも基盤裏に付いているチップも発熱しますので、銅板のヒートシンクを貼り付けて風を当てているのです。
 これらを考えるとメーカー側でチップ等の放熱を考慮して頂きたかったと思うところです。なにしろ熱の出口が無いので内部にこもったままになり部品に悪影響を及ぼします。最初から排気口を設けてあれば、このようなトラブルは避けられたのかもしれません。


◇お・ま・け◇

MDの心臓部?ピックアップです・・・


 ピックアップの修理に出すと交換ということで2万〜2.5万ほど費用がかかります。
 ここを交換するとなるとスライドアームを外さなくてはなりませんが、樹脂で固めてあってどうやってもアームは外せません。どうやって交換してるのか興味のあるところです。
 もしかしたらアッセン(ASSY)で・・・か???それなら私にも出来ますがな。


<2009.09.17>


【ラジオHome】