SONY ICF−7600D


 ボタンの多いラジオです。BCLラジオというのになるのでしょうか。
 これは訳あって私のところに届けられました。毎日聞きながら夜なべ仕事をしながら楽しんでいたものだそうです。それが聞こえなくなって淋しい思いをしているとか・・・
 状態はというと、何でも急に雑音だけになり周波数表示をしなくなったというものです。かなり年数も経ているためパーツは簡単に手に入らないと思います。
 とりあえず電池を入れて様子を見ると、どのボタンを押しても受け付けてくれません。パソコンでいえばフリーズです。駄目かな〜と思いつつも、とりあえず中を見てみることにしました。


◇蓋を開けて◇

あれ?なんか黒っぽいものが?


 触ってみると粘りのあるゲル状のものです。拭き取ってみると、どうもコーヒーらしき感じです。
 基盤にも付着しているので中性洗剤をしみ込ませたウェスで拭き取り、乾いたところで再半田してみました。そして乾電池を入れて試験してみたところ表示が出るようになり、ボタンを押すと反応するようになりました。チップが逝ってなくて一安心!めでたしめでたしということでした。
 依頼された方に伺うと、当人はしていないとのことで、以前はよく使っていた人がこぼしたのかもしれないということでした。


◇全  体◇

とってもいやな予感が・・・


 これで動作するようになった訳ですが全体を見渡すとやはり内部にホコリがいっぱいです。これも時間が経つと湿気等で悪さする可能性があるので、ざっと内部を掃除することにしました。
 原因はなんともいえませんが、この汚れが抵抗若しくはコンデンサのようになり誤操作を起こしていたのかもしれません。
 蓋を開けた時いやな予感がしたのですが、大外れでラッキーでした。なんたってガラクタ箱をガサゴソしなくてもよかったので・・・・


◇操作ボタンの内側◇

チューニングはここのボタンで行います。


 これはオート、マニュアルそれにダイレクトチューニングを行うところです。
 これが反応しないと使い物になりません。なんたってチューニングノブの役目なのですから・・
 このボタンの裏に導通ゴムが付いていてスイッチの役目をしています。今のリモコンや携帯のボタンは殆どこれですね。考えた人は凄いと思います。でもリモコンや携帯のお陰で人は動かなくなり、何処に居ても呼び出されるようになりました。便利で良いのか悪いのか判りませんが・・・


◇ロッドアンテナ◇

中で割れていました。


 ロッドアンテナがぐらつくので気になっていましたが、やはりです。ビスが緩んでいるだけかと思えばこんな状態でした。
 これはPULLアップ機能を組み込んだ為で固定金具は合成樹脂です。簡単にいえばプラスチックです。回転部が固くなればテコの原理で固定部には、とんでもない力が掛かります。
 割れて当然かもしれません。せめてこの金具は鋼材を使って欲しいところ・・・仕方ないので強力接着剤で付けて乾燥したところへグルーで固めておきました。
 そ〜っと動かせば大丈夫ですが、強度は極端に落ちていますので取り扱いは要注意です。PULLアップ機能なんて無くても良いと思ったところです。


◇電 池 蓋◇

これは仕方ありません。てことでスポンジ貼り!


 粘着テープ付きのスポンジですが、そのままでは厚くて使い物になりません。
 薄くするためにスライスして、魚をおろすみたいにスィーって切ります。そして適当なサイズにカットして貼り付けるだけで簡単に出来ます。これがないと電池がガタガタしますので・・・
 奥のスポンジはスライスしていないスポンジです。約半分にしました。また、厚いまま使うと電池蓋の爪が破損しやすくなりますので要注意です。常時アダプターを使う場合は乾電池は液漏れ防止の為抜いておいた良いです。ただ、このラジオはコンピューター用の電池Boxもあり、これは時計表示が見づらくなったら交換します。普段は入れたままがにします。


◇完  成◇

裏面には世界地図が載っています。


 所々変色している箇所がありますが、これは持ったり、電池交換等で擦れたところです。明るいメタリック調の入れ物だとどうしてもこうなります。もしかしたらブラック系もあったのかもしれません。これだとあまり目立ちません。
 これはどうしようも無いのでガマンしましょう。また、このラジオは薄くて水平の固いところでないと立ってくれません。
 非常に安定感のないラジオなのでクッションやカーペットの上では寝かせて使うしかないようです。それとも別にスタンドがあったのかな??


◇記念撮影◇

ICF-2200Dと大きさを比べてみました。


 比べてみれば2200Dは随分大きなラジオですね。この7600DにはRF GAINとシグナルメータなどが付いていません。でも同じような機能が搭載され2200Dが小型になったみたいなラジオです。
 感度も良くSSBも受信出来るので立派なBCLラジオと感じます。
 最後になりますが、このラジオは部品交換が非常に大変なラジオです。それを覚悟で取り掛かってみましたが、これも大外れで大した事なく作動したのでラッキーでした。
 今回は、ホコリ等内部に付着した汚れが時間をかけて発生した事例だと感じます。


◇SSBも受信出来ます。◇

ちゃんと側面に操作スイッチなどが付いています。


 これはデジタルラジオというのでしょうか、当然ながらバリコンはありませんのでグルグル回すところがありません。
 放送局の周波数が分かればダイレクトに打ち込むと、その周波数にポンと移動してくれます。バリコン式になれていると初めはとまどうかもしれませんが、これが意外と便利で別のアナログラジオの調整に役立つのです。
 また、SSBも受信しやすいようにそれなりの装備がちゃんと側面に付いていました。時間帯が悪かったのか何も聞こえませんでしたが・・・


<2009.11.21>


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