数年前に生産打ち切りとなったパナソニックの高感度3バンドレシーバー、きっと現在もどこかで活躍しているラジオでしょう。
シンセサイザーチューナー、デジタル表示のホームラジオというのでょうか、電池でも使えるので野外へ持ち出し可能と使い勝手の良いラジオです。 |
入手したときは、FMとTVバンドが受信出来てAMだけが聞こえない状態でした。全体に細かな白い粉がびっしり付着してキズだらけ、手提げのグリップは特に深いキズが付いていました。多分どこかの作業場で使われていたものと想像できます。 |
◇PLLデジタル選局のラジオ◇
見た目にもスッキリしたデザイン
腰のない音色にちょっとがっかりですが、操作部はごちゃごちゃせずスッキリしています。
また、お気に入りの放送局もワンタッチで記憶できて使い勝手はなかなかのラジオです。これらは、技術発展の成果でしょう。感度、安定度は抜群です。 また、乾電池を入れておけば、コンセントも抜いても周波数は記憶されています。電池を抜いても30秒ほどは記憶されますので、電池交換程度の時間でしたらメモリーが消えることはありません。親切な造りと感じます。 |
◇入手時スピーカー◇
すんごいホコリ!
PLL方式なのでチップが駄目ならもう諦めようと思いました。原因が分かればと調べてみることに・・・
ハンドルは、柱か壁の釘に掛けてあったのでしょうか、深いすり傷です。そして、ホコリは中までしっかり入り込んでいます。 蓋を開ければ中から漂う独特な香り・・・ ん?この臭いは、覚えがある。なんか懐かしい香りです。日本人なら誰でも食べるもの、それは、お米の臭い!(最近は食べない人もいるようですが・・・) これは、精米所の壁か柱に掛かっていたラジオと臭いで判明!犬じゃあるまいに・・・ |
◇内部基板の様子◇
パターンになんか不自然なとこがある・・・
見てみると、キャビネットは固定爪が何本か折れていました。だれかさんが既に中を開けた模様・・・
取りい出したる基板を眺めれば、なんか変なところが??勿論始めて見る基板です。 この裏って確かバーアンテナのはず・・・なんだろ?でした。 |
◇原因判明◇
バーアンテナを外しました。
ここでまた推測!これは、壁か柱に掛けていて下に落としちゃったんだな!なぜならバーアンテナが基板から見事に抜けた形跡があります。そうです。落下したショックで基板からズボッと抜けた感じなんです。
コストダウンの為かビス止めじゃないし、固定ステーは、細い端子のハンダ付けとステーの樹脂を溶かして止めてあるだけのもの、衝撃を与えれば当たり前です。これは取扱ミスだと・・・ そういえば、この手の機器って、だいたいこんな事が必ず書いてあると思います。 ・高温になるような車内に放置しないこと。
ということで、このラジオは上記で2点守られていません。壊れて当たり前!当然保証も効かないわけで・・・・普通は |
◇SPのマグネット◇
なんかピンが付いている?
私は、構造が簡単なものだとSPのマグネットに外したネジ良くを付けておきます。
こうすると無くさないで済むから・・・・。いつものようにペチョペチョ付けていくと何やら変なピンが付いていることに気が付きました。 なんだろうと?調べるとこれはバーアンテナを基板に固定するピンでした。凄いショックだったことを物語ります。 落とした人かどうか分かりませんが、きっと修理しようと試みたのでしょう。しかし、ラジオの回路を理解していない方だったようで、ここを動かないように固定すれば良いのだ!とコイルの1次側も2次側も銅線で固定してありました。 |
◇復活の巻◇
バーアンテナを付け直しました。
パターンも衝撃で切り取れて欠品していましたが、なんとか配線し直しました。
落とせばまた同じかもしれませんが、バーアンテナは強力接着材で固定しました。 取り付けたところで電源を入れてみれば聞こえる聞こえる!田舎の夜はいっぱい聞こえるのです。選局してみれば、こりゃあ感度良いラジオとすぐ判ります。下から上までビッシリ、了解度5!内蔵アンテナで・・・ |
◇ガラガラの基板◇
昔のラジオと違ってパーツも小型化、さみしい基板
技術は進み電子部品は超小型化されています。この為か、自作マニアはめっきり減ってしまいました。
専用のチップ1個でRF-MIX-OSC-IF-DETまで行っているようですが、このような基板を見ても面白くもありません。やはりある程度扱いやすいサイズのパーツが好きです。 自動車は大きくなっていくのに電子部品はどんどん小形化種類は豊富、こんなの見て基板に並べていく人いないですよね〜。これからは回路の発展ではなくプログラムの発展?これじゃ中身は判らない・・・・? |
◇外観整備の巻◇
分解掃除はバラバラにします。
お米の臭いがする入れ物も分解してお風呂に入れました。ハンドルはサンドペーパーで大きなキズを削り取ってコンパウンド仕上げで終わりとしました。
SPのグリルも外して裏まで洗います。こうしないとホコリが入ったままで綺麗にならないからです。 そして、乾いたら元通りに組み立てておしまいです。原因は単純、ちょっと面倒な作業でした。また、理屈を知らないとこんな事をしてしまうのだな。と・・・ 笑えるような修理跡ですが、私だって半田ごてを握り始めた遠い昔の頃なら同じような事をしていたのかもしれません。 |
◇負けじと・・・◇
並行作業のノスタルジックを背にして
やっぱり迫力負け!持ち上げても軽いし、ちっこいし・・・
感度は負けないぞ!と頑張るRF−U70でした。おしまい・・・・。 |
<2008.11.06>