>

◇TRIO KR-4200 ステレオレシーバー◇


イルミネーションに魅せられて


 ステレオレシーバー・・・それは、ステレオプリメインアンプとステレオチューナーがひとつになった装置のことを指すようです。
 レシーバーというと一般的に無線受信装置、ラジオのことをいいますが、ステレオという文字が付くとやはり、立体感が得られるように再生するオーディオ装置ということになります。
 しかし、こういうタイプは巷では、あまり人気がありません。それは、拡張性がないこと、性能面でも、やはりセパレートに比べると・・・、マニアから見ればなんとなく物足りないのかなと思います。


◇緑色に浮かび上がる文字◇

このイルミネーションが良いのです。


 それでも、やはりコンパクトが売り物のレシーバーです。セカンドシステムとしてリビングにちょこんとセットなどと使い勝手は文句なしです。
 また、このようなレシーバーの天板にレコードプレーヤーの付いたものもありました。これは、レシーバーと言わず、モジュラーステレオと呼ばれていたようです。その他プレーヤーに加えカセットデッキまで内蔵したものまでありました。
 まぁ、それはそれとして、確かとんでもないお値段のセットもあったような気もします。


◇内部の様子◇

各ブロック別に専用基板が列びます。


 1970年初期のレトロ!というよりノスタルジックといった方がいいのかな?当時、このシリーズの中〜上位にランクされる機器だと思いますが、性能面では、やはりかな?
 しかし、なんといっても、電源を入れると緑に浮かび上がるマスクがいいのです!ただ、それだけ、おまけにサイドウッドもあってなかなか渋い!それだけが気に入って貰ってきたのですから・・・
 見てみると、これにもやはりMICミキシングが付いておりました。カラオケ用?んな訳ないですが・・・。


ウンともスンともいいません。


 当然ですが、勿論ですが、当たり前ですが、普通ですが、音が出ません。これでは面白くないのでちょっと手入れをしてみることにしました。
 調べてみると、原因は故障でした。おしまい・・・・ではなくて、プロテクターの制御Trの不良です。不良になった原因は、メインアンプのL側、初段の微々たるリーク?2SC1345の不良です。この石も、もう無いみたい・・・

 プロテクターの石は、サンケンでこれも既に廃品種になっています。代用品でとりあえず働くようになりました。
 といってもちょっと余裕がある石なのでこの時点で1分程度だけプロテクターが解除するだけです。無理して通電することも出来ません。
 メイン部も駄目なのでSP端子には、まだ数ボルトの電圧が出たままです。そこで駄目元!ダミーを付けて電流を測ってみました。
 調べてみるとSPに流れる電流は、大きく変化しないのでSPを付けても大丈夫の模様です。

交換した部品

 試しに駄目になっても良いようなSPを付けてみるとL側は、ガサゴソとザァーいう音とブゥ〜〜ンが聞こえます。R側は、サァーという音が、かなり強く出ます。どうも両CHとも駄目みたい・・・・


◇交換完了◇

ケミコンはついでに交換


 さてさて、代用品はということになりますが、手持ちのころがっているものをゴソゴソと調べると何やら色々出てきました。お〜!サンケンさんのカンがある〜と見てみるとD220の1番違いでD219が出てきました。でもVCBOが半分しかありません。無理して使えるかもしれないけど普通は最大値の半分くらいで設計してあるのでヤバイ感じ、これあたりまえ・・・違うのを探して付けました。


◇NECのPAトランジスタ◇

このcanタイプは、もう製造されていません。


 子供の頃は、こういうTrが付いているアンプやラジオは格好良いと思いました。TrはTrでも大きくて格好良いのです。真空管のように熱くならないし触っても火傷をしません。でも、気をつけないと感電します。
 なんでもTrは、真空管に比べると永久に使えるとか、スイッチを入れてすぐに音が出る。消費電力が少ない。ということで宣伝していたような?
 でもこれは、うそだったのかTrにも寿命があります。製造ロットのばらつきなのか内部リークなりオープンして使えなくなる事があります。
 普通に使っていて突然音が出なくなったりヒューズが飛ぶのはそのせいです。


◇後   面◇

レシーバーにしてはAUX1と2とあり、端子は豊富みたい


 手にしたときは、キズがTUNEノブ正面にあるのみで比較的綺麗な状態でした。入力端子もくすみが無く、すごく綺麗です。このような状態なので、外装は拭き掃除だけで十分です。ノブは、タッチアップでなんとかしようかなと・・・・?
 入力端子は、TEAP1,2 AUX1,2とレシーバーにしては豊富です。
 【能書】
  AUXは、auxiliaryの略で「オグジュアリー」と読みます。略してオグジュ?
 メイン部は、2電源、全段直結・純コンプリメンタリーになっていました。あれ?これって当時としては、結構いいアンプみたい・・・
 音はというと、昔々の音というイメージではなく結構抜けが良い感じです。Victorのおもちゃアンプとは比べものにならないほど良い音で、低音もしっかり出ます。しかし、石の音・・・


◇シ ャ シ 裏◇

見ても面白くないところですが・・・


 このレシーバーは、年数が経っているにしては綺麗過ぎます。どうやら保証期間が切れた頃すぐに調子が悪くなってしまったのではないかと??そしてすぐに箱に入れられ仕舞われてしまったのかと思う程で、内部のホコリも異様に少ないのです。
 超極上品といっても過言ではないくらいでした。まぁ〜珍しい!
 基板のハンダは、以外としっかりしてあります。それでもまじまじ眺めるとちょこちょこと怪しそうなところがあったので再ハンダを適所!全部はメンドーだし。


◇パネル分解◇

文字板を外すとただのランプです。


 文字板の黒い部分にオレンジ色の灯りが点になって映えます。何かのマークかと思えばそうではなくペイントが剥がれていました。多分最初からでしょう・・・
 気になったので分解してちょこんとタッチアップして補修です。文字板がないととても明るいです。ランプ4個だったかな?


◇プリアンプ基板◇

手前に大きなフライホイール


 イコライザーとマイクミキシングが組み込まれている基板です。MICなど付けるからごちゃごちゃ!これでS/Nも悪くなるような?
 同調は、大きなフライホイールでタッチはなかなかです。これがないとグイグイと回さなくてはなりません。
 FMは、3連VCでメカニカルフィルター、FETで高感度を狙っているようです。AMは普通みたいですが、下手なラジオより音は最高に良いです。


◇記念撮影◇

TUNEツマミは交換しました。


 ツマミは色を塗れば良いのですが、トランジスターラジオのツマミみたいでなんとなく・・・
 手持ちのもので似合いそうなもの選んで付けてみました。艶消し黒より銀ピカのノブが良い感じに思いました。私には・・・・
 ツマミはPIONEERとSONYのものです・


◇もうひとつ交換◇

MICのツマミも交換してみました。


 外装は、絞った雑巾で拭いただけで終わりです。こうしていろいろ触ってみると、球には球の良いところ、石は石でまた良いところがあります。どちらが良いかは好みの分かれるところですが・・・貴方なら?


<2008.09.14>


【ラジオHome】