◇ナショナル6S−10(その2の続編)◇

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−ラジオ本体編−


 超高級スーパーといえどもやっぱり手抜きかなと思うような部分もあります。
 回路図を見ればすぐにですが、パーツの省略が見受けられます。しかし昔のパーツって大きいから少しでも減らして配線を容易にって考慮したのかもしれません。大きなチューブラがごろごろしてたらコテがソケットに届かないし・・・
 しかし、電源部はちょっと貧弱だったため強化しておきました。電源トランスはいつものごとく端子型に改造です。
 このトランスは元気でした。戦後もしばらく使われていたんですね。でなければ絶縁度が落ちているはずですが、至って良好な状態でした。
 そんなんでシャーシは全塗装して新たに配線となりました。ここで感心したのはこのシャーシです。
 全体に銅メッキを施してあるという贅沢なもの・・・流石に超高級ラジオというだけのことはあります。


◇電源トランスの改良◇

リード線式のトランスはこうするととっても扱いやすい。と思ふ・・


 修理といってもそのままコンデンサーや抵抗を交換して終わり・・・なんていうのは面白くもなんともありません。
 回路にちょっと手を加え、ラジオらしく仕上げてみることにしました。勿論、殆どのCRは駄目になっていて交換しました。
 というわけで全部ばらして、シャシは全塗装です。普通は鋼板で済ませてしまうシャーシですが、やはり超高級ラジオというだけのことがあります。
 シャーシまでメッキ処理をするという手間暇をかけたラジオであります。こういったシャーシは他にビクターも採用していたと情報を頂きました。
 また、日本電気のラジオには銀メッキシャシーが使われていたとか・・・驚きですね。


◇銅メッキシャーシー◇

シャシは分解後全塗装をします。

流石に超高級ラジオです。内側を磨いたらピカピカ・・・


 バリコンは300PFの3連です。これも磨いて、調子が悪い減速メカを分解掃除してグリスアップをします。
 磨き終えた部品をシャーシーに取り付け配線に取りかかります。
 個人的な好みですが、こういったレトロなST管ラジオに今時の小型抵抗を使う気になりません。
 似合うのはなんといっても今は手に入らなくなってしまったL型抵抗に限ります。というのも、それなりに古さを強調したいと考えるからです。


◇メカの分解掃除◇

グリスが固化してスムーズに動きませんでした。

古いグリスを除去して磨きます。


 所見では2Nd-IFTのコイルの1次側が錆びて断線していました。
 ハニカム巻きで4mHのコイルなんて手巻きじゃ無理で、これには参ったと困っていたらOMさんから「インダクタンスは何mHですか〜?」って神様のようなお声がありました。
 そんなんでIFTはOMさんに助けていただきました。流石にOMさんです。取り付けてみるとトラブルも無くばっちり!感謝感謝です。ありがとうございました。

 情報は頂いていましたが、共振周波数は175KHzと変な周波数です。まさかと思っていましたが、調べてみると本当に175KHzでした。ウソみたいな本当の話・・・


◇断線したIFT◇

湿気でやられちゃったみたいです。

外側ならある程度撒き直せますが、内側はなんともなりません。

OMさんに新たに巻いていただきました。感謝です。


 このレトロなIFTは、455KHzに慣れている私にしてみれば変な感じがします。
 それに手持ちの測定器だと175KHzが出ないので低周波発信器を使わなければならないのかな〜、トーンは出たのかな〜?などと思っていると、またまたOMさんのお助けがありました。
 もう使わないのでよろしければお使い下さい。と、またまた神様みたいなお声がけを頂きました。感謝であります。
 それは175KHzが出せるSTARのオッシレッターでした。なんでもキットを組み立てたものだそうです。やっぱり古いラジオには古い測定器がよく似合う??

 また、電源スイッチ兼音質のボリュームは戦前のオリジナル品です。抵抗値は大きく狂い、中点か浮いて役立たずでした。
 これの修復を試みましたが、抵抗帯が磨り減っていて完全にNG、諦めて戦後品に交換しました。


◇STARのオッシレッター◇

カウンターが必要ですが、まだまだ十分使えます。


 さて、配線を終えて通電してみるとCONV管が発振していません。
 届いたときには、このコイルの端子に配線されていないところがありました。修理したものの受信していなかったはずです。
 でも今回は配線したにもかかわらず、発振していません。なんで??と困っていると、流石にOMさんです。
 「リターンコイルを逆さまに配線してみて・・」とのアドバイスを頂きました。なんとも、これで解決しちゃいました。感謝です。
 今度はDET管です。検波していないのです。仕方がないのでIFT内に1N60を入れてDi検波にしました。
 ところがモニターしていて3日のことでしたか、ボソッボソッと音がして今度はVRを絞っても音量がゼロにならないという現象に至りました。


◇組み立て完了◇

ですが・・・聞こえない!DET管が調子悪い・・・でも復活した。なんで??


 何だろう?と思って調べたら駄目だったDET管が働き始めてくれたのです。
 駄目だと思っていたのに復活した?こんな事はじめてでした。回路的にも音量が絞れないのでカソード抵抗を外して対処しました。当然Diも撤去です。
 情報は頂いていましたが、共振周波数は175KHzと変な周波数です。まさかと思っていましたが、調べてみると本当に175KHzでした。
 455KHzに慣れている私にしてみれば変な感じがします。そして、このIFTの調整には、またまたOMさんのお助け・・・
 175KHzが出せるSTARのオッシレッターを頂きました。古いラジオには古い測定器がよく似合う??


◇記念撮影◇

戦前の超高級ラジオがやっと終わりました。


  まだ並四とかが一般的に活躍していた時代にRF付きスーパーですから、いかに別格のラジオだったかが伺えます。
 人力車と自動車の違いくらいかもしれません??
 キクイムシの被害で相当なダメージのラジオでしたが、それらしく仕上げることが出来ました。
 OMさん達のお力をお借りしなければとても完了出来なかったかもしれません。この場をお借りしてお礼申し上げます。どうもありがとうございました。


◇特別オーダー◇

CDプレーヤー接続端子


 依頼された方の要望で、CDプレーヤーも接続したいとのことでした。
 端子の交換だけだと音量調節が出来ません。CDプレーヤーに音量調節が付いていたとしてもやはりラジオ本体側で調整できた方が何かと便利なことは言うまでもありません。
 NFBのON/OFFスイッチを利用して外部入力とラジオを切り換えるように改造しました。
 私とすればオリジナルのままが好みですが、ご要望とあればそれなりに・・・勿論オリジナルに戻すことも簡単にできるようになっています。(私じゃないと無理かもしれませんが)

 

<2014.07.30>


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