とても懐かしいラジオが来ました。
もう、云十年も前に初めて、自分のものになった真空管ラジオと同型と思われるラジオが、わが家に来ました。
このラジオは、テレビも見ずにいつも聞いていたものです。それも、大音量でボンボンならしていました。とても音の良いラジオだったと記憶しております。 それがある日突然、ならなくなりました。勿論、当時は、ラジオの仕組みなど毛頭知るはずもありません。原理さえ知らない私でしたから、たどり着く所は、分解、そして廃棄・・・という運命をたどったラジオでした。 |
かすかな記憶によれば、確かツマミ類は横に付いており、触ってみれば一番下のツマミはカチカチとロータリー・スイッチだったはず、4個付いていたような、いないような・・・本当に微かな覚えしかないのですが・・・
中を見れば、親子バリコンが使われてる。これも、記憶にあるのです。多分これと同型だったと思います。 今、思えばとても懐かしいラジオです。このラジオのお陰で、いわゆる真空管病にかかってしまったと言っても、過言ではないかもしれない。この分解したラジオの部品を眺め、原理や仕組みを少しずつ覚えていったものです。 |
○ツマミ類は横に付いています。○
どう見ても、「ごみ」のようなラジオです。でも、懐かしいラジオ
何とかして、直したいと思うのであります。
−正 面−
−横 面−
−裏 面−
サビもあります。
さすがに、通電する勇気はありません。内部を見ればコンデンサーは、幾つかパンクしています。
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シャーシ下面(修理前)
どうしても出来る限り、当時の面影を残したいという願望が先立ってしまいます。当時、あのまま残しておいたら、今の私なら、何とか直せたのになぁーと、後悔してもどうしようもない・・・
ということで、抵抗、コンデンサー類は、極力当時の雰囲気を出すようにL形抵抗、ペーパーコンの形をしたコンデンサーを使いたいと考えました。 線材は殆ど交換して、アンテナ線とマジック・アイの配線材はそのまま使う事で予定を立てます。 |
側面に貼られていた回路図(雨にうたれたのかボロボロで非常に見にくい)
それでも、よく見るとアウトプット・トランスから6ZDH3AのカソードにNFBが掛けられている。それも、たったの5KΩである。かなり深く掛けてある事が伺える。 他は、トラッキングレス・バリコン(親子バリコン)を使っている。これは、珍しいのかもしれない・・・ |
修理前と修理後のスピーカー
正面の保護布は、ボロボロだったので、適当な布で交換。エッジ押さえは着色 |
どうしても、このトランスが使いたくて仕方がありません。嫌ですが、分解して断線箇所から巻き直しとしました。これは、湿気で緑青(ロクショウ:銅のサビ)が発生、そこから断線していました。幸いにも、3段目でしたので継ぎ足しです。本来は全部巻くのが理想的ですが、此処は手抜きということで・・・
また、湿気による劣化が怖いので、スキー用のスプレー式ロウをしっかり充填です。これは、なかなか便利なロウです。 |
−分解したトランス(鉄心とコイルのコアー)
2次巻き線をほどいたところ
トランスの巻き直しは、何度やっても嫌な作業です。最後、鉄芯を押し込む時にドライバーで、指を刺してしまった。 |