ゼネラル 6S−22(5球スパー)

とても懐かしいラジオが来ました。


 もう、云十年も前に初めて、自分のものになった真空管ラジオと同型と思われるラジオが、わが家に来ました。
 このラジオは、テレビも見ずにいつも聞いていたものです。それも、大音量でボンボンならしていました。とても音の良いラジオだったと記憶しております。
 それがある日突然、ならなくなりました。勿論、当時は、ラジオの仕組みなど毛頭知るはずもありません。原理さえ知らない私でしたから、たどり着く所は、分解、そして廃棄・・・という運命をたどったラジオでした。


 かすかな記憶によれば、確かツマミ類は横に付いており、触ってみれば一番下のツマミはカチカチとロータリー・スイッチだったはず、4個付いていたような、いないような・・・本当に微かな覚えしかないのですが・・・
 中を見れば、親子バリコンが使われてる。これも、記憶にあるのです。多分これと同型だったと思います。
 今、思えばとても懐かしいラジオです。このラジオのお陰で、いわゆる真空管病にかかってしまったと言っても、過言ではないかもしれない。この分解したラジオの部品を眺め、原理や仕組みを少しずつ覚えていったものです。


○ツマミ類は横に付いています。○

どう見ても、「ごみ」のようなラジオです。でも、懐かしいラジオ
何とかして、直したいと思うのであります。

−正  面−

−横  面−

−裏  面−

サビもあります。


 さすがに、通電する勇気はありません。内部を見ればコンデンサーは、幾つかパンクしています。
 どうやって直そうか思案する。
 キャビネットはキズもあり、塗装は劣化でポロポロです。これはどう見ても、粗大ごみです。


シャーシ下面(修理前)


 どうしても出来る限り、当時の面影を残したいという願望が先立ってしまいます。当時、あのまま残しておいたら、今の私なら、何とか直せたのになぁーと、後悔してもどうしようもない・・・
 ということで、抵抗、コンデンサー類は、極力当時の雰囲気を出すようにL形抵抗、ペーパーコンの形をしたコンデンサーを使いたいと考えました。
 線材は殆ど交換して、アンテナ線とマジック・アイの配線材はそのまま使う事で予定を立てます。


 側面に貼られていた回路図(雨にうたれたのかボロボロで非常に見にくい)
それでも、よく見るとアウトプット・トランスから6ZDH3AのカソードにNFBが掛けられている。それも、たったの5KΩである。かなり深く掛けてある事が伺える。
 他は、トラッキングレス・バリコン(親子バリコン)を使っている。これは、珍しいのかもしれない・・・



修理前と修理後のスピーカー





 正面の保護布は、ボロボロだったので、適当な布で交換。エッジ押さえは着色



 どうしても、このトランスが使いたくて仕方がありません。嫌ですが、分解して断線箇所から巻き直しとしました。これは、湿気で緑青(ロクショウ:銅のサビ)が発生、そこから断線していました。幸いにも、3段目でしたので継ぎ足しです。本来は全部巻くのが理想的ですが、此処は手抜きということで・・・
 また、湿気による劣化が怖いので、スキー用のスプレー式ロウをしっかり充填です。これは、なかなか便利なロウです。


−分解したトランス(鉄心とコイルのコアー)
2次巻き線をほどいたところ



 トランスの巻き直しは、何度やっても嫌な作業です。最後、鉄芯を押し込む時にドライバーで、指を刺してしまった。


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