| ICチップが機器に使われ始めた頃でしょうか、そんな時代にオールディスクリートで組み立てられたというSONY最高峰のラジオが手に入りました。それも前面の蓋は無く、サビと汚で哀れな姿のラジオでした。 |
| ある日のこと、これはなんだろうと目に留まったのは、後側にDINコネクタや3.5mmのジャックなど付いたレザー仕上げの黒い物体です。マスクは見えませんが、雰囲気からこれはテープレコーダーだなと思いました。
もしかして真空管式?と手にしてみるとテープレコーダーではなく、ズッシリ重いラジオでした。 「あれ?これ見たことあるラジオだな・・・」と思いつつ「要らなかったら頂戴〜!」と、ぶら下げて来ました。しかし、とんでもないというか、もの凄いラジオでした。型番は日焼けで読み取れず・・・ |
◇入 手 時◇
とてつもない大きさです。5900が可愛く見えます。
| ご覧のように薄汚れたラジオですが、普通のラジオがなんとも可愛く見えるのです。とにかくでかい!
早速、通電してみるとガサゴソ、チリチリ・・・ノイズの中から微かに放送が聞こえます。しかし10秒もしないうちにノイズだけになりました。 今度は、FMにしてみると大きな音で一瞬聞こえましたが、段々小さくなってガサゴソ、チリチリにジャリジャリっという音になってしまいました。 あー、とうとう壊れてしまった!(最初から壊れてましたけど・・・) こうなれば部品取りと腹を決め・・・ようかな、どうしようかな?ポイしようかな?と考えていたら「それは当時最高級のラジオです。ぜひとも完動品にして下さい。」とスーパーOMさん達から、ありがたい励ましのお言葉を頂戴いたしました。 内心・・・え゛っ?!これ直せ?直るの? |
◇入 手 時 �供�
パネルもサビでペイントが浮いてボロボロです。
| そういえば、以前にOMさんが同じラジオを手にしたはずで、頼んじゃおー!と待ちかまえていたら「回路図をお送りしま〜す。」と先手を打たれてしまいました。
私のささやかな陰謀が〜ぁ・・ぐすん! |
SONYの4P電源ソケット | 外観の状態は最悪で台所か厨房に設置してあったような感じです。全体が油でベタベタしています。
電源コードなどは、この油でこてこての真っ黒でこちこちに硬くなっていました。 このコードの汚れは、換気扇掃除の洗剤を使い、しばらくその液の中に浸けてウエスでゴシゴシしたら綺麗になりました。 この時、プラグやソケット部は浸けないようにしておきます。綺麗になっても若干硬くはなっていますが、まぁ普通に使えるようです。これはSONY独自の4Pソケットなので代用品はありません。復活したのでラッキーです。でもソケットの固定部は割れていました。 |
| ささやかな陰謀も見事に砕け散りましたので諦めて、とりあえず中身を取り出してみました。
取り出したところで、まじまじ眺めてみると、なんだこれ?各基板やら部品がLアングルを沢山使って取り付けてあります。なんちゅー作り方だ〜どうやって分解すんのかな? 基板を取り出すにしてもあれとこれとアングルを外して取り出さなくてはなりません。どう考えてもメンテナンスは考慮してしていない造り!無理矢理押し込んだようなとんでもない作り方です。変なの〜〜〜変なの〜〜〜!めんどくさいよ〜〜!としか言いようがありません。本当に・・・・ひでェ造り・・・ 言い過ぎですが、正直なユーザーの感想です。まっ、普段見る所ではありませんが、こういう所が気になる私なのでありました。 |
◇中 身◇
なんだ〜この作り??アングルだらけ・・・
| しかしよくもまぁ・・・こんな格好に詰め込んだものだと呆れるやら、感心するやらブツブツ文句を言いながら分解していきました。
そしてアングルを4本外し、ピアノ線を2本外し、ワイヤーを2本外し、結束バンドを切って、やっとIFとかAF基板をひっくり返すことが出来ました。こうしないと基板のチェックやパーツ交換が出来ないのです。 眺めてみるとどの基板も一部しか見えず、取り出すにしても、あれこれとアングルを取り外さないとどうしようもない取付方なのです。本体を引き出してひっくり返すだけとはいきません。それにしても使い捨てのラジオではないのだから、簡単なメンテも考慮して欲しいと思う造りです。 |
◇中身側面◇
落書?がしてあります・・・
| 中の側板にマーカーで落書きがしてありました。これは製造ラインで組み立てた人が記入したのでしょう。
Jは、国内仕様ということで、数字は手がけた数かもしれません。消してしまおうと思いましたが、時代を物語るものなので、このままにしておこうと考えます。他にもSW2のコイルパックケースにもごにょごにょと書かれていました。 ビスはイモネジとJIS規格が入り乱れて使われていてややこしくなっています。それにアルミと鉄の組合せでなんとなくアンバランスに感じました。 |
◇スピーカーユニット◇
楕円型が2発付いていました。
| 大きな楕円スピーカーが1個と思っていましたが、ちょっと小振りの8Ωが2つパラ接続されていました。
普通のSPかな、と良く見てみると布製のコーンにもう1枚コーン紙を貼り合わせたような丈夫なSPユニットです。エッジも半透明のようなアメ色・・・ ここは、SONYさんのちょっと凝った造りだなと感じました。なんといってもSPユニットは音の出口でこのように力を入れても不思議ではないでしょう。 |
◇基板上部◇
パーツは雑な並びみたいな・・・?
| 取り出した基板を見てみると、どうも雑に見えるような?高級機ということなので定規で引いたようにビシッとパーツが並んだレイアウトを期待していただけにちょっとがっかり・・・。
更にOMさんから届けられた配線図を基にまじまじ眺めると、各ブロックがあちらこちらに飛んだ格好です。これは、基板上にFM/AMなどの切換SWを乗せた為かなと思います。 SWの配線が増えますが、FMとAMそれにAF等と単独基板にしたらもうちょっとスッキリしてメンテも容易になったのではないかと思います。パーツ配列でちょっと幻滅した基板レイアウトです。組立ラインでも苦労したラジオかな?と思ふ・・・ |
◇なんとかAM復活◇
なんとか聞こえました!
| このラジオは、AM、FMとも受信できない状態だったので苦労しましたが、なんとか聞こえるようになりました。
主な原因は、電圧が異常に上昇していた事が起因したのではないかと思います。指定は9Vですが、AC電源で15.3Vも与えていました。整流回路のトラブルです。この為、各所に無理がかかりTrがパンクしたものと思います。 とりあえず負荷電圧が9Vになるように安定化回路の調整を行いました。続いて各部のチェックですが、AM部はOSCとMIXからの出力がありダイアルを回すとカウンターの周波数が変化します。ただしMWバンドだけは無しの状態でした。 IF段は、AM、FMともに全滅でTr交換で解消しました。ついでにコンデンサーも数個替えましたが・・・・ |
◇同 調 部◇
四角い箱にバリコンが入っています。
| IF段はTrが逝かれてたので、ここからガサゴソ、チリチリと音を出していました。廃品種なので代用Trでカバーすることに・・・3発交換で完全復活!SW2〜SW19までは受信成功です。でもLW〜SW1はノイズだけしか聞こえません。
調べてみると1stRFのパンクです。原因が解ったところで、早速石交換!再度受信してみると聞こえた聞こえた!と思いきやMWバンドだけ聞こえません?? SWの接触不良も疑いましたが違っていました。カウンターであたると、どーゆー訳かこのバンドだけ発振していないのです。 おかしいな?とコイルをチョンとドライバーで触ると数秒発振して消える状態です。 こりゃ困ったぞと、OSCコイルを外しQメーターで調べても共振するし、パディングコンデンサーも外して調べてもOKだし変!変!変!はてな? |
◇RF-MIX-OSC部◇
コイルは裏面に列んでいます。
| コイルを外したので交換も考えましたが、調べてみると普通の赤コイルはタイプが違い使えません。諦めて元に戻し様子を見ることにしました。
でも、コア調整をしても良く持って1分程度、すぐに止まります。う〜〜ん??と悩んで悩んで日が暮れる頃、こうなりゃ駄目元!試行錯誤で出力側の抵抗に100PFのコンデンサーをパラに付けてみました。 おっ!不思議なことに発振してくれました。どうやらOSCの劣化?なんだろ・・・・? これで発振は安定しましたが、周波数は大きく狂うので再調整です。正常に発振している隣のコイルを測定してみれば放送周波数より455KHz高いところで発振していました。ということは、ここの中間周波数は455KHzということになります。 |
| 最初に受信してくれたSW2からは、ダブルスーパーとなっています。調べてはいませんが、たぶんもっと高い周波数でしょう。ここは、同調タイプのIFampが違うユニットに組み込まれていました。この部分の利得は少な目に設計されていると思います。
このバンドの調整は、コイルパック(隣に見えるシャフトの付いた箱)後部の蓋を開けてトリマを回して行いますが、BAND数がメチャクチャ多いのでほんとに肩が凝ります。もーヤダ!嫌い!こんなの・・・ |
◇FM2フロントエンド◇
ハンダで蓋がしてあり、やっと開けました。
| FMも同様でガサゴソ、チリチリ、ジャリジャリです。このバンドも受信音からIF部が怪しいと見当を付けていました。
AM部はSONYのTrですが、FMは三菱のTrが6個です。AM部の代用と同じ石で試したところ、雑音は消えたのですが、全体的にどうも音量が少なめ・・・・hFEの違いかGAIN不足?? 時々お願いしているお店で探してみると、同じ石がまだあることが判明しました。早速お願いすることに・・・ 更にFM2バンドの出力も低下1stIFアンプの出力低下で石交換でした。 このフロントエンドは触りたくなかったのですが、出力低下で仕方なく開ける羽目になりました。 中身は、FETを含む3石構成で4連バリコンが入っていました。前段2セクションはバンドパスフィルターの役目みたいです。 |
◇ブロックダイアフラム(一部)◇
お送りいただいたデータで型番判明!
| このラジオの型番は、日焼けで230なのか230Bなのか不明でしたがスーパー OMさんのDATAで230Bだと判りました。
前機種にCRF-230というのがありますが、この機種はFMフロントエンド内にRFアンプが組み込まれています。これに対して230BはこのRFアンプが無くなっています。雑音まで大きく拾うので改良されたのかも? これらは、スパーOMさんからいただいたブロックダイアグラムで判りました。感謝申し上げます。 |
<2008.11.07>