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−海から山へ来たJRC−3−


○本体終了の巻○

とりあえず完了?外観も整い、やっと落ち着いた。


 純正のツマミは壊してしまいました。もうどうしようもありません。ツマミで雰囲気が、ガラッと変わってしまうことは重々承知の上でしたが、こうも業務機の貫禄が消えてしまうとは思いの外でした。
 もう、同じものが手に入らないとはいえ、業務機の重々しさを表現したいもの、最終的にサトーパーツのシンプルなコリンズみたいなドレークみたいなそんな感じのものを取り付けることにしました。このつまみもOMさんが選んでくれました。
 うん!良いセンスしてるな〜と、改めて納得!いかにも通信機という感じになりました。その後に、バンド切り換え用こんなものがありますよ。とスーパーOMさんからもお知らせを頂きました。これを試しにメインダイアルにしてみたところ、これがまたなんとも似合うではありませんか。バンド用にと頂いたのにごめんなさい。幾度も感謝感謝です。


◇真空管がいっぱい!◇

シールドケースも球も何本か付いていませんでした。


 シャシ裏は、フタがしてあり潮風の影響は最小限にくい止められていたようです。それでも同軸ケーブルは、切り口から2cmほど腐食してボロボロ、ゴムブッシュも硬化していました。これらは交換等の処理です。
 眺めてみれば、もの凄い配線量です。半端なものじゃありません。アマチュアには、絶対組み立てられないような代物と感じます。
 入手時は粗大ゴミみたいなもので、欠品もありました。不足しているシールドケースはガラクタ箱から探し出したもの、そしてOMさんにも数本助けていただきました。感謝です。このシールドケースのこだわりはピカピカのスチール製です。アルミだと磨いても輝きが今ひとつもの足りません。

 さて、外観はなんとか出来ても、調整が出来ていないければなんにもなりません。感度も当然落ちていますので、OSCのコアーやIFTの調節、そして周波数調整などやることがいっぱいです。これらは、OMさんの指導のもとに、発信器にオシロ、周波数カウンターを用いて調整しました。
 どうしても分からなかったのが周波数合わせの方法です。ダイアルは、1KHzまで読めます。それ以下は感覚になりますが、ピタリと合うはずとのこと・・・。
 0バンド以外は気持ちの良いくらいに、ダイアル目盛とピッタリです。1KHz単位で直接読み取り出来る真空管の受信機とはまた楽しいのであります。それも時間が経っても周波数がこけないのが良いところ・・・。
 周波数調整にどうしても合わなかったのが、0と1バンドです。なぜかというと、手抜き接続をしたツケが回って来ただけで・・・・。たかだか10MHz・・なめてはいけません!ちゃんと同軸を使いましょう・・・。でも、しょっぱくありません。


◇箱  作  り◇

入れものがないとなにかと不便、だってラジオだし・・・。


 手にしたタイプはコンソール・ラックに収納するタイプです。筐体型もあるそうです。家に置くなら筐体型がベストでしょう。
 筐体型は、なんたって上にちょこんと物が置けるし、内部の保護にもなります。かと云って純正品など手にはいるわけもなく、作るしかありません。しかし、相当な重量があり、アルミというわけにいきませ。アルミでは強度が足りないのです。2t以上なら話は別ですが、今度は簡単に曲げることができません。
 また、鉄板は加工もやったことがなく、工具もありませんので、鉄板の加工は興味なし。箱に使った材料は、これ以上安価なものはないだろうという端切れ板(コンパネ)を使うことにしました。材料費は、ゼロ円です。


◇放 熱 穴 加 工◇

密閉すると熱が心配です。


 真空管はどうしても熱が出ます。それも相当なものです。パワーアンプの出力管は素手では触れないほどになります。これはそこまで熱くなりませんが、やはり空気抜きの穴は欲しいところです。
 この穴は、組み立てる前にやれば作業効率も良かったと思いますが、あとから気づくいろいろな事!これも、ガサゴソと探し出した金網を使いました。なんとなく良い感じです。
 しかし、寸法を間違えて穴が少し小さくなりました。そのままスコンと網が入る予定だったのですが、ちょっとミスりました。素人工作ということで・・・・。


◇もう一つの穴加工?◇

どうせなら単体で使えるようにと、またまた思いつきで・・・


 これも同じくあとからの思いつきで、素人の考えです。
 どうせならSPも内蔵しちゃえ!と組み立てた箱に、穴ぽこをまた追加しました。SPを内蔵すれば立派なラジオ?アマチュア的な考えというか、おろかというか、素人の思いつきです。
 単純に丸穴を開けたのは良いのですが、ここにSPをペチョッと取り付けるだけでは面白くありません、それなりの外観にもしたいと眺めて思う・・・開けるべきではなかったか?開けてしまった以上どうすることも出来ません。あちゃ〜!かな?


◇こんな小細工を・・・◇

けっきょく蓋をすることに・・・


 あちゃ〜!では面白くありません。ここに段差を付けて、カバーを埋め込むように蓋をしてみました。安易な発想が大変な作業になりました。別にSP-BOXを作った方が良かったのかも?と
 ところで、どういう訳かこういう受信機にはウッドケースは似合わないとのこと・・・?と、言われてみれば、確かにそんなの見たことも聞いたこともありません。 高級アンプは、何故かウッドがとても似合うのに高級ラジオには似合わないのかな?本当かな?
 たとえラワンだって立派な材木です。なんとかならぬか、なにぬねの・・・。こうなりゃ、やってみるしかないですね。なんでも試して納得できればそれでよし!と、駄目なら色を塗り替えれば済むことです。希望はウッドらしさを残しつつ・・・などと大欲ばり!


◇そして無難な同系色で・・・◇

ウッドケースと強調もしたいのですが・・

中身は合板です。しっかりウッドと!


 よくよく眺めてみれば、本体のツマミは見慣れている家庭用の機器とは異なることに気がつきました。そうなんです。どう見ても通信機なんです。普通の家電製品店には置いてないようなヘンコチョリンな機械?それもかなりの高級機らしい?
 考えてみれば、茶器にブルーマウンテンを注いで三回まわして味わうようなもの??例えは今ひとつおかしなものではありますが、中身に見あったものでなければおかしなものになります。それらしい風格が欲しいもの。無難な同系色にしてみました。それでもウッドであります。ウッドケースであります。


◇完結の巻◇

できた、できた!OMさんみたいにいろいろ手を入れるのは
箱に納めた分だけ面倒になります。箱から出す手間が・・・・。


 このJRCはOMさんに、いっぱい、いっぱい助けていただき完成しました。アドバイス等をいただかなければ、おそらくとんちんかんなラジオになっていたのではないのでしょうか。私一人の力では、ここまで仕上げることができなかった思います。感謝以外の言葉もありません。
 また、この受信機は当時、アマチュア機の桁違いだったとか聞きました。今の価格にしたら一体いくらになるんでしょうか。見当も付きません。それにしてもメチャクチャ重たいラジオでした。


<2006.12.31>


 ≡整備を終えて≡

 このNRD−1ELは、OMさん各氏に大変お世話になりました。
感度もかなり落ちて、周波数も狂っていました。感度はLOCALユニット毎のコイル、そしてIFTの調整だけでもほぼ回復します。
 周波数は、オッシレターコイルで追い込もうとしましたが全然駄目です。これはOMさんに教わりなんとか追い込むことが出来ました。OMさんは1時間程で完了したそうですが、私はもっとかかりました。また、整備用のマニュアルがあるようですが、手に入りませんので耳と感が頼りです。とはいっても発振器、カウンター、オシロは最低限必要です。本来ならSSGが欲しいところです。これらがない場合は無闇にコイルのコアは触らない方が良いでしょう。
 この受信機は逆L、ダイポールアンテナそして専用のカプラーを使えばそれはすごい性能を発揮するとか?1.8mのビニール線でもすごいと感じたのに・・・・。今では、アマチュア無線機でもこれ以上の性能を発揮するものが沢山あります。選択肢、遊び方はそれぞれ自由ですね。


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