このアンリツも七洋と同じ外部電源を必要とするセパレート型です。ラジオとして家で楽しむのなら電源内蔵タイプが使い勝手が良く、更にSPを内蔵していれば文句なしです。
しかし、届けられたときのように無理矢理取り付けるのも考えもの、見た目もそこそこで無理なく電源を・・・となれば、外部スピーカーBoxに電源ユニットを組み込めば話は簡単!作るのはとってもメンドーです! この外部電源があれば本体のテストが出来るのですが、全く新に作らなくてはなりません。とりあえず、本体は仮終了ということで電源待ち状態なりました。電気無ければただの箱とはよくいったもの・・・ |
◇半完成のAAR-5904C本体◇
とりあえずケースに入れて電源待ち
届いたときは、扇ダイアルだぁ〜!と眺めてみたものの、なんとなくなんとなく・・・
ということで、本体は分解掃除で雰囲気の違うアンリツになってしまいました。私は、始めて見る受信機ですが、この頃のアンリツは、デザインが今ひとつで、すっきりしないものが多かったそうです。それでOMさんは、最初に見たとき「欲しくはないけども・・・・」と言っていたのかな?ふと、そんなことを思う・・・・ |
◇半完成のAAR-5904C(後部)◇
ANT端子とSP類の端子は交換しました。
依頼された方からは、「海から来たJRC 第2弾として」と云々・・・となれば、話は簡単!作業は、いと困難となりにけり!世界にひとつしかない、誰も持っていないアンリツさんに・・・(色違いなだけですが・・)
さてさて、非常に上手くない内臓電源は撤去したので、外部電源ユニットをなんとかしなくては――――。とりあえず次の段階として、電源ユニットの入れ物です。作るのもメンドーだし、手ちにあるガラクタのケースを流用しようと考えてみました。 しかし、どれもこれも並べてみれば満足出来るものではありません。おまけに余分な穴を塞いだりしなければならず余計に面倒です。 手間暇を考えれば、やっぱり新たに作った方が好き勝手な大きさ形に出来るというメリットがあります。となると・・・作ることに決定です。 |
◇電源ユニットの入れ物作り◇
せめて高さは揃えたい!こんな感じで・・・
調べてみると、純正電源の高さは147mmで本体は255mmです。この組合せだと並べたとき・・・う〜〜んと?オリジナルのサイズだと並べたときに低くて格好悪いような気がします。
どうせなら、作るならせめて高さくらいは揃えたいと考えます。それとパネルの雰囲気も本体と違和感が無いような形に出来れば儲けもの、更にSPを内蔵すればGoodです。金属加工で、入れ物作りは無理なので加工しやすい材料を使うことにしました。 電源の出力は、A電源がAC18V、B電圧は150Vと低めに設計されています。なのに300Vくらい印加されていた機械なので心配は多々ありますが、それはそのとき、また対処を考えれば良いということで作業を進めます。 |
◇電源部のパネル◇
本体に合わせたデザインにしてみました。
電源といえども決してメンテフリーではありません。将来のパーツ交換等の容易性も考慮しなければなりません。
電源部を取り出し易いように、シャシは1枚板にアングルと木桟を付けただけの簡単構造にしました。これは、後部に引き出し易く、固定も簡単です。前側は、溝を作ってそこに差し込むようにしました。簡単にいえば両サイドレールタイプです。ちょっと固いけど・・・ シャシ幅は、箱の関係で幅135mm、奥行き280mmと非常にスマートになりました。ここにトランスをいっぱい乗せるのです。重たいだろうな〜と思います。 |
◇電源ユニットシャーシ◇
整流管と放電管をセット
整流はダイオードで簡単に組み立てようかな、と思っていたところ「真空管でお願いします。」ということでした。でも、こういう業務機器は、A電源、すなわちヒーターが暖まったところでB電源を投入するように電源SWが2個付いています。そして、A電源を入れると同時にB電源も立ち上がって1部に給電されながら安定した状態になるように設計されています。
これは、普通のラジオには見られない業務用機器独特の方法で、なんでも真空管を長持ちさせる方法?だそうです。球でなくてもダイオードのブリッジで十分球にやさしい給電方法なのでしょうか。 ここで貴重な整流管を使うか使わないかは、好みによるところですが、見た目にはやっぱり球だと思います。 |
◇電源ユニット灯入れ◇
負荷抵抗を付けて試験、綺麗なグローが見えました。
電源といえどもちょっとは見栄えも欲しいところ・・・。トランスだらけも面白くないので2個はシャシ裏にと、好き勝手にレイアウトを考えます。基本は放熱を考え後部に球を配置、球はトランスの都合で5Y3GTと定電圧放電管VR150を使いました。
定電圧放電管は、GTタイプも同梱されていましたが、GTはMTに比べ入手が難しいようです。それを考慮し、あえてMTを使うことにしました。この出力は、OSCとBFOに給電しています。 整流回路は、π型リップルフィルーターにチョークトランスとオードソックスな整流回路です。 |
◇外部電源後部◇
箱にセットしてみました。
最初は、ダイオードのブリッジ整流を考えていたので、5Y3GTのパラ接続半波整流にしたら予定より電圧が低くなってしまいました。困ったなーと思っていたらOMさんから球とダイオードの組合せでブリッジにしてしまおうという細工を教えていただきました。
あっ!この手があったんだー。と感謝感激です。電圧が上がったので放電管も青紫に輝いてくれました。蛍光灯のグローランプみたい・・・・きれいでしょ? |
◇毎度おなじみの・・・◇
やっと本体に灯が入りました。でも聞こえない。
出来上がった電源からミノムシクリップでとりあえず試験通電をしました。ありゃりゃ・・・いつもの事ながらウンともスンともいいません。ちぇ〜・・・
それでも、SPからは、ほんのちょっと微かにノイズが聞こえます。試しにVRからポータブルMDで音楽を入れてみたところ蚊の鳴くような音量です。おかしいので試しに、ころがっていたOPTを使ったところ今度は、大きな音になりました。 ということは、OPTがおかしい!あらら・・・・です。再度OPTを調べてみたところ2次側の10KΩ出力が内部でショートしているみたいです。困ったぞー! |
◇出力トランスを仮に交換◇
こうすると大きな音になるのですが・・・
OPTの2次側は、10KΩと5Ωの出力端子が引き出されていて、SPはこの10KΩを経由でアースされています。つまり、2次側ショートという状態になっていたのです。今度は、この10KΩを浮かしてSPをつないでみたところ大きな音が出るようになりました。
でも、10KΩを殺してしまうとPHONEが使えないことになります。抵抗でインピーダンスを上げるしかないのでプラグ端子を眺めてみたら・・・ あらま、なんとパネルフレームにPHONE端子が接触しているじゃありませんか。取付角度を直し、配線を元通りにして再度VRを上げると大きな音になりました。騒いで損した〜〜! |
◇再び仮設配線して◇
パイロットランプが灯り良い雰囲気なんですが・・・
定電圧回路の配線は、まだ改造していません。とりあえず通電して普通に作動するようにしてから配線と調整を考えます。
とんだミスでトラぶっていた低周波増幅はOKになりました。MDを入力すれば大きな音がします。でも、やっぱりラジオ放送は聞こえません。いやいや困ったもんだ・・・せっかくランプが灯ったのに、こんな複雑なラジオは、私にゃー無理なんだー。つまんないー!ということで・・・ふんーだ! |
<2007.11.17>